アルファ 水や熱湯を加えることで、デンプンが糊状になり粘性を発揮すること。これがうどんや蕎麦のつなぎの力になる。
秋新(あきしん) 秋蕎麦の新蕎麦ということで「秋新」と呼ぶ。通常新蕎麦といわれるものは秋新のことを指す。当然蕎麦も、採れたてが1番おいしい。
秋蕎麦(あきそば) 蕎麦には夏に採れるものと秋に採れるものがある。日照時間の関係から、秋に採れるものの方が味、色、香りすべてにおいて夏のものより優れている。
揚げ置き(あげおき) 天ぷら蕎麦などに添える天ぷらを、注文よりも先に揚げて油を切って置いておくこと。最近は揚げ出しの店が主流。
揚げざる(あげざる) 苑で上がったうどんや蕎麦を揚げるざる
揚げ出し(あげだし) 天ぷら蕎麦の天ぷらを注文を受けてから揚げ、その揚げたてを出すこと。浅草尾張屋が初めてこの方法で天ぷら蕎麦を提供し、人気となった。以降、多くの蕎麦屋がこれに ナラ った
厚削り(あつけずり) 関東風の場合、鰹節を入れてから煮詰めてだしを取る。そのため、鰹節はじっくりだしが出るように厚く削られる。
あつもり 苑で上がつた蕎麦を水にさらした後、再び熱湯を通した、いわゆる「温かいもり蕎麦」。熱いつけ汁でいただく。
甘皮(あまかわ) 蕎麦の実の殻の下にある種皮のこと。田舎そばはこの甘皮が多く入るので、甘みが強い。さらに蕎麦の灰色は、この甘皮の色である。
甘汁(あまじる) かけや種物などにかけられるつゆのことで厳密には「かけ汁」と「種汁」は違うものである。
石臼(いしうす) 上下ニつの石を回転させ、その摩擦で蕎麦の実を分解させる。機械で挽くより効率は悪くなるが、熱による変性が少なく、蕎麦粉の品質が比較的保たれる。最近では自家製粉する店のほとんどが「石臼挽き」である。
出雲蕎麦(いずもそば) 島根県松江周辺で発展した蕎麦。田舎蕎麦の1種で、色が黒っぽくコシが強い。「割子」ごとに薬味とつゆをかけて食べる「わりご蕎麦」が有名。
板蕎麦(いたそば) 昔から蕎麦がよく採れた山形の伝統的な蕎麦の食べ方。大きな板の皿に苑でた蕎麦をこんもりと盛り、それを大勢でつまんで食べる。
一番粉(いちばんこ) 蕎麦の実を挽いた際に出てくる胚乳中心部をふるいにかけ、余分なものを取り除いた粉。打ち粉に使われることが多い。
一番だし(いちばんだし) 鰹節から採れた一番最初のだしのこと。ここからつゆが作られる。
田舎蕎麦(いなかそば) 甘皮を含む「挽きぐるみ」で打たれた蕎麦。色は黒っぽく、蕎麦の甘さと香りが強いのが特徴。
色物(いろもの) 変わりそばの中でも、赤や緑など、見た目に美しく色が出ているものを特に 「色物」と呼ぶ。
打ち粉(うちこ) 蕎麦やうどんの玉を延すとき、延し台に生地がつかないよう、また巻き付けたときに麺棒にくつつかないようにふる粉のこと。一般的に一番粉を使うことが多い。
おかめ蕎麦(おかめそば) 湯葉、蒲鉾、椎茸などの具を「おかめ」の顔に見立てて並べた種物。その食べ方は、東京風と関西風で違う。
小田巻蒸し(おだまきむし) うどんが中に入った茶碗蒸しで、本場大阪では正月のお祝いに出された料理であつな。古くから蕎麦屋の料理。
雄節(おぶし) 比較的大きな鰹からとれた4つの節のうち、背中の部分をいう。
かえし 醤油と砂糖または味酬を加え、数日間寝かせたもの。関東風のつゆにはこれにだしを加えて作る。関西方面では返しを作らず、だしに直接醤油を加えて作る場合もある。火を入れたものを「本返し」、火を入れないものを「生返し」、1部だけ火を入れたものを「半生返し」という。
かけ 温めた蕎麦に、熱くしたつゆをかけな蕎麦。江戸時代、気短な江戸つ子がもりそばのつゆを蕎麦に「ふっかけ」たことに起源があるとされる。
鰹節(かつおぶし) 鰹の身を煮たもの(なまり節)を干して固めて作られる。なまり節を煉して乾燥させたものを「荒節」といい、香りが強い。その荒節の表面を削りカビ付けしたものを「枯節」という。
角出し(かどだし) 丸く延された蕎麦生地を、麺棒を使い四角形になるように薄く延ばしていく作業。四つ出しともいう。江戸流独特の蕎麦打ちの技法。
亀節(かめぶし) 小振りの鰹の場合二二枚に下ろして節にするが、その片身が亀の甲羅に似ているのでこの名がついた。
辛汁(からじる) もりやせいろなどの冷たい蕎麦をつける冷汁。東京の蕎麦屋でこう呼ばれることが多い。つゆに蕎麦を少しだけつけて、一気にすすり込むのが江戸つ子の食べ方。
辛味大根(からみだいこん) おろしそばや辛味そばに使われる大根。京都鷹が峰の辛味大根や信州ネズミダイコンが有名。
枯節(かれぶし) 荒節の表面を削り、カビ付けをした鰹節。乾燥が行き届いており、主に関東のだしに使われている。
変わりそば(かわりそば) 更科粉に抹茶や柚子、芥子などを練り込んで打つたそば。江戸時代にはすでにあつたという伝統的な蕎麦。
菊練り 水回しが終わって、まとめた玉をさらに 均一 キンイツ にするためにこねる作業。玉に菊のような模様ができるのでそう呼ばれる。
生粉打ち(きこうち) つなぎを入れずに蕎麦粉だけで練り、打つた蕎麦。打つのには技はいるが、出来上がつた蕎麦の香りは新鮮だ。
基礎延し(じのし) 延しの最初の工程。まとめた玉を、手と麺棒である程度まで延し広げる作業。
生蕎麦(きそば) 本来「生蕎麦」というのは生粉打ちの蕎麦のことを指す。江戸時代にはつなぎの入つた蕎麦は「駄蕎麦」と呼ばれた。現在ではその区別はほとんどなくなっている。
木鉢(きはち) 練りの作業をする本の鉢。練りの工程は「本鉢の作業」と呼ばれ、蕎麦中のなかでは最も重要である。
木鉢下(きはちした) 本鉢の下に据えておく丸桶で、この中にすでに蕎麦粉と小麦粉を混ぜ合わせたものを入れて保管しておく役目もある。後にこの混合粉のことを「本鉢下」と呼ぶようにもなる。
強力粉(きょうりきこ) タンパク質か12.5〜15%含まれている小麦粉。つなぎの力が強い。
霧下蕎麦(きりしたそば) 長野県戸隠高原などで採れる蕎麦のこと。高冷地という栽培に適した環境で育つたもので、高い品質を誇る。
九一(くいち) 蕎麦粉九割、つなぎ一割で打たれた蕎麦のこと。蕎麦の香りはそのままに、のど越しもよい。
くろむき 昔の蕎麦の和名。蕎麦の実が黒かつたのでそう呼ばれていた。
化粧水(けしょうみず) 蕎麦を水にさらした後、最後にかけるきれいな水のこと。
玄蕎麦(げんそば) 殻のついた蕎麦の実のこと。この状態の蕎麦が一番保存に適している。
御前 ゴゼン 返し(ごぜんがえし) 返しに同量の味酎を加えて作るもの。かつてはこの御前返しで作つた辛汁を 「ざる汁」として、もり汁とは区別して出していた店もある。現在は区別している店は数少ない。
御前 ゴゼン 粉(ごぜんこ) 更科粉のことを指す。更科蕎麦は大名や大奥などで好まれて食べられたために、「御前蕎麦」とも呼ばれる。そこから、更科粉のことを「御前粉」と呼ぶ場合もある。
木鉢(こね) 蕎麦打ちの工程の一つ。本鉢(きはち)で行う作業なので、この漢字が当てられている。もつとも重要な水回しを含むこの工程の成否によつて、蕎麦の出来上がりが大きく左右される。
駒(小間)板(こまいた) 蕎麦を切る時に使う道具。たたんだ蕎麦の上に置き、包丁で切る時の定規のような役目をする。
小麦粉(こむぎこ) 蕎麦のつなぎとして最も多く用いられ。小麦粉は水を加えられるとグルテンを形成し、強い粘りを出す。これをもとに蕎麦をつなげていく。さらに小麦粉をつなぎとして使うと、食感がよくなるという効果もある。
さなご 蕎麦の実を挽いた時に残る、繊維質などが多い食用にならない部分。
更科粉(さらしなこ) 蕎麦の実の中心にある胚乳部分だけを挽いて作られた蕎麦粉をいう。色は真つ白で、ほとんどがデンプン質。
更科 サラシナ 蕎麦 ソバ (さらしなそば) 信州更級郡の反物商太兵衛が、保科家の声掛かりで始めたのが更科蕎麦である。保科家の「科」の一字をもらい「更科」とした。更科蕎麦には蕎麦特有の香りも味もほとんどない。上品な口当たりとのど越しを楽しむ蕎麦である。
ザル (ざる) ザル といっても様々なものがあるが、基本的には苑でた蕎麦を上げ、水を切る道具。あげ ザル 、ため ザル 、ふり ザル がある。その ザル をそのまま利用して出すのが 「ざるそば」である。
三たて(さんたて) 蕎麦は、挽きたて、打ちたて、苑でたてが一番うまいといわれている。それを俗に「三たて」という。
三番粉(さんばんこ) 甘皮部分も含まれているので、蕎麦の香りと味が強く出ている粉。ただし、食感に関しては二番粉に劣る。
自家栽培(じかさいばい) 自分の持つている畑で作物を栽培るすこと。最近では自家栽培までする蕎麦屋も出てきたが、量産するのは大変である。蕎麦は荒れ地でも育つ比較的簡単な作物だが、気候が整わなくては質のよい蕎麦は採れない。
地粉(じごな) その土地特有の粉。蕎麦は特に気候によつてその善し悪しが決まるので、高冷地などの地粉は品質が高い。
シン 蕎麦(しんそば) 蕎麦は秋と夏に採れる。しかし、秋に採れる方が質はよい。採れたての蕎麦を新蕎麦といい、香りは高く味も申し分ない。一般的に新蕎麦といえば秋蕎麦のことをいう。
ずる玉(ずるだま) 蕎麦を打つ際に、加水量を本来よりも増やし、こねやすいようにして打ち上げたもの。打ちやすくはなるが、風味は落ちてしまう。
製粉(せいふん) 蕎麦粉の製粉方法は「石臼挽き」と「ロ―ル挽き」がある。石臼挽きの方が熱による変性が少なくて、蕎麦粉の品質を保つのには適している。
蒸篭 セイロ (せいろ) かつて蕎麦は菓子屋が作つていたことがあつた。蕎麦は苑でるのではなく、蒸して出されていたのである。そのなごりが 蒸篭 セイロ を器として用いるところに残つている。
外五(そとご) 蕎麦粉とつなぎの割合を表すいい方。蕎麦粉十に対して、つなぎの小麦粉五の割合。
蕎麦切り包丁(そばぎりぼうちょう) 現在よく見られる蕎麦切り包丁は江戸時代から続くもの。柄の先端の真下辺りまで刃が伸びているのが特徴。生地をたたむ時は、この刃の長さに合わせるのが基本。
蕎麦茶(そぼちゃ) 蕎麦米を焙煎したものを茶葉としていれたお茶。蕎麦の風味がそのまま味わえるだけでなく、栄養価も高い。さらに、蕎麦と普通の緑茶はその成分の相性がよくない。そのため、代わりに蕎麦茶を出す店も多い。
蕎麦猪□(そばちょこ) 辛汁を入れる器。最近ではコレクターも多く、古いもの、珍しいものには高値がつき取り引きされている。
蕎麦苗(そばなえ) 蕎麦もやしのこと。
蕎麦もやし(そばもやし) 蕎麦の新芽のこと。蕎麦も刈り取ってから時間が経つと、その色が落ちてくる。かつては新蕎麦の時の淡緑色を維持するために、蕎麦もやしを入れて蕎麦を打つていたことがあった、.現在では食品衛生上、蕎麦もやし入りの蕎麦を作ることは禁じられている。
蕎麦湯(そばゆ) 蕎麦を苑でた後の残り湯。つゆに加えて飲む。蕎麦の栄養分が流れ出ているので、蕎麦湯はぜひ飲むべきである。店によつては、蕎麦湯を別に作つているところもある。
蕎麦掻 ソバガ き(そばがき) 蕎麦粉に湯を加え、練つて食べるもの。蕎麦の原初的な食べ方といえよう。
蕎麦切り そばがきから発展し、江戸時代に現在の「蕎麦切り」という食べ方が完成。
出汁 ダシ (だし) 鰹節や昆布から旨みを取った汁のこ≒蕎麦のだしは鰹節を長時間煮詰める,また、関東ではかつおなどの節類のみでだしを取ることが多いが、関西では昆布を一緒に入れるのが一般的。
ダツタン蕎麦 ダッタン種の蕎麦を使うもの。苦味が強いのが特徴で日本ではあまり好まれていないが、東北アジア、ロシアなどでは古くから栽培されている。ルチンは普通の蕎麦のl00倍以上。
種倆(たねもの) 「かけ」の上に天ぷらなどの「種」をのせた蕎麦。
タンパク質(たんぱくしつ) 小麦粉の主成分。小麦粉のタンパク質は、水を含むとグルテン形成し粘性を発揮する。
たんぽ 返しやだしを温める時に使う器。返しを湯煎する時には「土たんぽ」を使う。また、湯煎する作業のことを指す場合もある。
中力粉(ちゅうりきこ) 強力粉についでタンパク質が多く含まれた小麦粉でつどんに向いている。
つなぎ 蕎麦自体のつなぎの力は、乾くと急激に低下してしまう。そこで、つなぐ力を補うために入れるもののこと。小麦粉が一般的。地方によっては山芋、玉子などを使うところもある。
デンプン質(でんぷんしつ) 蕎麦の実の中心部は、ほとんどがデンプン質である。蕎麦粉のデンプン質はつなぎの力はほとんどない。
友つなぎ(ともつなぎ) 湯を加え蕎麦がきを作り、それに周りの粉を寄せてつなげていく方法。つなぎの力のない更科粉などに用いられる。
中台 ナカダイ (なかだい) 蕎麦職人の階級。蕎麦を苑で、洗い、具を調理するなどを受け持つ。
夏蕎麦(なつそば) 夏に収穫される蕎麦のこと。暑い盛りに出てくる新蕎麦というのは、ほとんどがこれ。秋蕎麦に比べ、日照時間が少ないので、どうしても秋蕎麦よりは味、香りともに劣ってしまう。
夏新(なつしん) 夏に収穫された新蕎麦のこと。一般的には秋新を指して新蕎麦というが、それと区別するためにこのように呼んでいる
生返し(なまがえし) 醤油に火を加えないで作る返しのこと。沸騰した湯で煮溶かした砂糖を、醤油の中に入れ混ぜ合わせる。その後数日間寝かせる。
並粉(なみこ) 標準粉ともいう。ニ番粉や三番粉などを混ぜ合わせたもの。一般的に用いられる蕎麦粉はこの並粉である。各店で独自の割合がある。
南蛮(なんばん) 蕎麦屋でいわれる南蛮とは、ネギのことを指す。どうしてそう呼ばれるかは諸説あるが、本来は炒めたネギのことを南蛮というらしい。鴨南蛮などで炒めてネギを使う店もある。
苦蕎麦(にがそば) ダッタン蕎麦のこと。非常に苦いためそう呼ばれる。
煮切り(にきり) 醤油や味琳などに火を入れ、そのアルコール分を飛ばすこと。
二八(にはち) 蕎麦粉ハ、つなぎ二の割合で打だれた蕎麦。現在の多くがこの割合でつなぎを入れている。味、香り、食感ともにバランスの取れた、蕎麦における黄金率といえる。
二番粉(にばんこ) 一番粉を挽いた後に出る粉を諦いにかけて取り出される。三番粉に比べ、蕎麦の味・香りは控えめだが、食感はとても優れている。
二番だし(にばんだし) 一番だしを取り終えた後の鰹節(昆布)で、もう一度取つただし。甘汁を別に作らない店は、辛汁にこのニ番だしを加えて作る。別名「ばかだし」
ぬき 種物から蕎麦を抜いて、酒のつまみとしたもの。例)天ぷら蕎麦の蕎麦抜き=天ぬき
根曲かり竹(ねまがりだけ) 戸隠名産の竹。戸隠蕎麦はこの竹で編まれた筑に盛りつけられる。
延し(のし) こねが終つた生地を、手や麺棒で薄く延ばしていく作業。
延し台(のしだい) 延しの作業全般をこの台の上で行う。桧や桂などが使われる。
延し棒(のしぼう) いわゆる麺棒のこと。蕎麦を薄く延ばしていくので、1〜2mの長さが必要。
ばかだし 普通は二番だしのことをいう。「二番だしは役に立たない」と思われていることからこの名がある。
花粉(はなこ) 打ち粉に使われる粉で オモ に一番粉。
半生返し(はんなまがえし) 砂糖を醤油で煮溶かし、それにさらに醤油を加えて作つな返し。数日間寝かせて使う。
挽きぐるみ(ひきぐるみ) 殻を取つたヌキを挽いたもの。黒っぽい田舎蕎麦はこの粉で打たれる。甘く香りの強い蕎麦になる。
ヒネ 新蕎麦の時は薄い緑色だが、時間が経つと「焼け」て茶色くなってくる。風味も悪くなり、こうなつた状態の蕎麦粉をヒネと呼ぶ
へそ出し(へそだし) 生地を練る最終段階で、空気を出すためにへそのような突起を出してそれを潰していく。延しの前の大切な作業。
ぼつち盛り(ぼつちもり) 戸隠蕎麦の伝統的な蕎麦の盛り方。 ザル にひとつかみずつの五つの小さな固まり (ぼつち)に分けて盛る。
本返し(ほんがえし) 醤油に火を入れて作る返し。沸騰する寸前の醤油に砂糖または味琳を加え、沸騰させないように煮溶かし、数日間寝かせて使用する。
本延し(ほんのし) 延しの最終段階。より薄く延ばしていく。江戸流では三本の麺棒を使う。
まごつき 蕎麦職人の階級で、店に入りたての新人を指す。要領が分からなくて「まごつく」ところからこの名がある。薬味をつけたり、つゆを器に入れるなど主に雑用をする。
目立て(めたて) 石臼の溝を掘ること。この溝の深さや幅で、挽かれた蕎麦粉のきめの細かさが決まる。
メツシユ フルイ の網目の大きさの単位。
雌節(めぶし) 鰹節の腹側の部分。腹節ともいう。麺棒(めんぼう)生地を延ばすための棒。
ける(やける) 新蕎麦から時間が経つてくると、淡い緑色だつた蕎麦の実がだんだん茶色つぽくなつて来る。これを「焼ける」という。新蕎麦よりも、風味や香りが落ちてしまう
山芋(やまいも) 蕎麦の具としても頻繁に使われるが、田舎蕎麦などでは蕎麦のつなぎとしても活用される。
湯ごね(ゆごね) 加水の時に水ではなくまず湯を加え、その後水を加えていく。湯によって蕎麦のつなぎの力を引き出す。
せん(ゆせん) 辛汁は作られた後一旦冷まされるが、それを「たんぽ」で湯煎にかけるとさらに味が深くなる。
夜鷹蕎麦(よたかそば) 江戸時代、夜に蕎麦やうどんを売る「夜蕎麦売り」が登場し、その蕎麦を夜鷹蕎麦と呼んだ。
四つ出し(よつだし) 角出しと同義。
ルチン 蕎麦湯に多く含まれているビタミンの一種。脳溢血などに効果があるといわれている。
ロール挽き(ろーるびき) ロールの回転によつて蕎麦粉を粉砕し、蕎麦粉を取り出す機会ご フルイ にかけなくても一番粉、ニ番粉、と段階別に粉が分けられて出てくる。高回転なため、粉焼けが起こりやすいのが難点。
アルファー化 でんぷんが水と熱の働きによって糊状になること。茄で立てのうどんのおいしさの大きな要素。加熱されない生のでんぷんはベーターでんふんといい、おいしさがなく消化も悪い。
打ち粉 うどんを延す時に、麺棒やまな板に生地かくつつかないようにまく粉。一般には麺と同じ小麦粉を使う場合が多いが、更科粉やコーンスターチ、片栗粉を使う場合もある。
うどんの器 陶磁器製の丼が主流だが、丼以外では、ざるで提供する時の漆器のせいろ、釜あげ用として漆器の釜あげ桶、鍋物用の土鍋と金属製の鍋などがある。最近は、和食器や中華用の食器などで視覚的に楽しい器を導入する店も増えた。
あげ網 主に西日本で使われており、茄でたうどんを釜からすくい取り、洗いの水だめに移す道具。手網とも呼ばれる。太めのたこ糸で、丈夫に作られている。
足踏み さぬきうどんのコシの強さを生む大きなポイントとなる、製麺過程の作業の一つ。足で踏んで生地を鍛えることでグルテンに網状組織を作らせ、弾力のあるうどんができる。
うどん舟 妬で上げたうどんを提供する量の玉にして、茄で置くためのせいろ。水切りをよくするため、簑を敷いてからうどん玉を並べる。
うどん庖丁 一般的には写真のようなものを。うどん庖丁“と呼ぶが正式のものはない。そば切り庖丁より小型で軽めである。使う人に合つた重さのものを選ぶ。
かえし 醤油と砂糖・昧耐を合わせた濃縮汁。うどんやそばの汁のベースとなるもの。「本がえし」と「生かえし」があり、「本がえし」は火を入れて仕込みぺ生かえし」は火を入れないで仕込む。
加水・加水率 「加水」は小麦粉に水を加えること。「加水率」は、「加水」の工程で、小麦粉に対してどのくらいの水を加えるかを重量比で算出したもの。さぬきうどんは他県のうどんより加水率が高い。
釜あげ うどんを茄でて釜からあげる工程。さぬきうどんでは、茄で立てをそのまますぐに食べるうどんを「釜あげうどん」と呼び、特に好まれる。
グルテン 小麦粉に含まれるたんぱく質で、水と上が加わるとガムのように粘りを持つ性質がある。さぬきうどんは多加水・足踏みという打ち方をすることで、グルテンの性質をうまく引き出す。
献麺式 7月2日に高松市中野天満宮で行われるうどんの献よの式。香川県生麺事業協同組合が引き継いでいる。天満宮で打つたうどんを三方の皿に盛り小麦粉・醤油などとともに本殿に奉納する。
金毘羅祭礼図(こんぴらさいれいず) 金刀比羅宮の表書院に保存される六曲二双の屏風絵のこと。元禄時代の讃岐の三軒のうどん屋の様子が描かれており、当時、讃岐はすでにうどんの先進地域だつたことを示している。
こね鉢 うどんの生地作りの作業を行うための専用の鉢。うどんの場合、陶器のこね鉢を使うこともあるが、さぬきうどんでは木鉢がよく使われる。
小麦粉 さぬきうどんの原料となる小麦粉は、ΛSW(オーストラリアスタンダードホワイト)が中心。香川県ではダイチノミノリというさぬきうどん用の品種を開発しているが、8割は外麦粉。
昆布 関西以西ではうどんのだしに欠かせない材料。さぬきうどんでも必ずというほど使われる。真昆布、道術昆布、羅臼昆布、利尻昆布が有名。厚く赤褐色で、幅広で香りのよいものを選ぶ。
さし水 びつくり水ともいう。茄での途中で、吹きこぼれそうな時に行う。湯の糊濃度が高くなるのを和らげるのと、麺が吸つて減った湯を補充することが目的。火力を微調整しながら水を加える。
すかし打ち 讃岐ではうどんの生地を麺棒に巻き付けて延すが、その時の技法の一つ。麺棒に巻いた生地を手もとに戻す時、やや生地を浮かせて麺台に落とし、リズミカルに打つ。生地に粘りが出る。
接待うどん 讃岐では、暮らしの行事や農耕儀礼の他、遍路の人々の接待や仏家の布施のーつとしても、うどんを作る習慣があつた。湯だめうどんやしっぽくうどんなどを作つてもてなした。
多加水 うどんをこねる時に加水率を40%以上にすること。昔はうどん等を打つ時の加水率が28%程度だったため、それと比べ多加水と呼んだ。実際には通常の加水量であり、特に多くはない。
だし 一般に、うどんで使うだしは、かつお節や昆布で煮出したものが多い。さぬきうどんでは、昆布やかつお節も使うが、特に煮干し(いりこ)が主材料とされてきた。
だし醤油 醤油にだしを加えたもので、これを茄でたうどんに直接かけて提供する。以前は生醤油を直接かけた「生醤油うどん」などを提供した。今はだしを加えるなどして各店で昧を工夫している。
玉盛り 注文後すぐにうどんを湯通しして提供できるよう、茄でたうどんを一人前ずつ玉に取り、簑を敷いたせいろのよに盛り付けておくこと。
地粉 各地方で産出される小麦粉の総称。香川県産の小麦は、小麦特有の香りが豊かなのが特徴。しかし、風雨に弱いなどの性質があり、全体的に生産量が少ないのが現状。
中力粉 小麦粉の種類の一つで、うどん作りに向く。たんぱく質の含有量が強力粉より少なく薄力粉より多い、中間の性質のためこう呼ばれる。l〜3等までの等級があるが、さぬきうどんにはl等粉か2等粉を使う。
つゆ 吸物の汁や煮汁、そぼやうどんのかけ汁・つけ汁を指す。そばの場合、そばつゆ、甘汁、辛汁などと呼ぶが、うどんではかけ汁、つけ汁と言うことが多い。
 土三寒六常五杯(どさんかんろくじょうごはい) 四国のうどん処の塩加減に関する口伝。うどんを作る時、土用には塩一杯を水三杯でとかした塩水で、寒中は六杯の水で、普段は五杯の水を使つてとかした塩水でもむと、良いうどんができるということを指す。
煮干し さぬきうどんのだしをとる材料の一つ。いりこともいう。西日本では煮干しと節類を一緒に使うことが多い。原料魚は主にイワシ類で、カタクチ煮干し、平子煮干し、ウルメ煮干しが代表的。
延し台 手打ちで、そぼやうどんを延す作業の時に下に敷いて使う台。材質は檜や桂の木がよく使われる。寄せ木などもある。表面に凹凸がなく、反つたりゆがんだりしないものを選ぶ。
半夏生(はんげしょう) 半夏とも言い、夏至から数えてΠ日目の7月2日頃で、麦の収穫と田植えの区切りの時期。この日は、うどんなど小麦粉で作つたものを食べる習慣がある。現在、うどんの日とも呼ばれ、献麺式など催される。
ぶつかけ さぬきのうどん店の人気メニユーの一つ。覇でよげたうどんにだしをごく少量かけただけで食べるシンプルなうどん。価格が安く、手軽に早く食べられることからも人気がある。
振りざる 茄で置いたうどん玉を湯通しする時に使う細長いざる。昔は、竹材を編んで、ふちを籐で巻いたものが使われた。最近は金属製が使われている。
ボーメ計 水溶液の比重を計る道具。ガラスの浮きのよ部に目盛りがあり、浮きを水溶液に浮かばせると液体の比重の差で浮いたり沈んだりする。この時の水面の目盛りの数値を「ボーメ度」という。
本みりん 上品な甘味と特有を持つ調味料の一つ。蒸したもち米に米こうじ・焼酎を加えて仕込み、2ヵ月ぐらい糖化させて熟成させる。これを絞つて濾過材で漉したものが本醸造のみりん。つけ汁のかえしに使う。
まな板 材質は銀杏、柳、桂、朴などで作つたものが庖丁のあたりがよく、木の香りもない。使つた後は、洗つてからぶきし、天日に当てるとよい。
麺棒 麺を打つ棒。長さ、太さは地域によつてさまざまで、一般的には、直径2〜3mで、麺台の横幅より少し短いものが使いやすい。材質は桜がよいとされているが、手に入りにくいため、樫がよく使われる。
薬味 食べ物をよりおいしく、香りがよく食べるために添えるもの。独特の芳香や味・香りによつて、食欲をそそる。さぬきうどんでは、細ねぎの小口切り・おろし生姜・すりごまが定番の薬味である。
蔀で汁 うどんを覇でる時の釜や鍋の湯のこと。うどんの茄で汁は通常使われないが、さぬきうどんでは、釜の湯をうどんとともに器に入れてつけ汁で食べる、「釜あげうどん」が親しまれている。
蔀で箸 うどんを鼎でる時に使う箸。麺をかき混ぜたり、爺で加減をみるために麺をすくいあげ、麺の透明感などを確かめる際に使う。篠竹で作つた箸が多い。
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